小学校5年生の里宮さんは、将来、看護師や福祉の仕事に就きたいという夢を持っています。この作品では、夏休みを利用して介護の仕事体験ボランティアに参加した里宮さんが、体験の中で感じ、学んだことが前向きに、的確に描かれています。
「ふくし」の言葉に「『ふ』だんの『く』らしを『し』あわせに」という想いが込められていることを知って、「福祉は誰もがみんなしあわせに、思いやりを持って、支えて生きていくこと」「とても身近なもの」ととらえられるのは素晴らしいことだと思います。。
体験当日は、挨拶に始まり、ラジオ体操、工作、「えんげ体そう」と、さらにはにお昼ご飯もおじいちゃん・おばあちゃんたちと一緒に取ります。その時間を通して、里宮さんが感じたのは「明るい表情とやさしい言葉からたくさんの温かさが伝わってきた」「介護体験をして、元気とパワーをもらって、笑顔になっていた(幸せな気持ちになった)のは私の方」ということ。介護施設のスタッフさんたちの配慮はもちろんのこと、里宮さん自身の温かさと想いが施設の方々にも伝わったことが分かりますし、体験から学ぶ力を感じます。
これからの教育に求められているのは、小学校の段階から「学習と体験を通し、自分の生き方を確かに考える力」「一人ひとりが幸せになり社会全体が幸福になること(ウエルビーイングWell-being)」にどう関わるかです。介護や福祉の仕事は奥が深く簡単ではありませんが、今後も里宮さんの温かさや想いを多くの人に伝えられるよう、ぜひ夢を叶えてほしいと思います。
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